満室であることの意味

ボクの監修している愛和苑という長屋は、現在満室です。

と言っても、2棟ある内の1棟を改修したのが満室というだけです。
14軒あるうちの、手のつけられる8軒と階段、共有スペースであるバルコニー、そして外壁をやり直しただけで、
入居はされているものの改修はしていない所を残している。
そんな13軒の満員御礼と、一室は共有スペースという意味だ。

もう一棟は空っぽで、これから監修してメゾネットをつくる。
その下準備に入ったところだ。

愛和苑は小さな村であったと、そんなイメージで進めてきた改修である事や、
無理な斡旋は受けないし、空室もいずれ埋まるだろうと、そんな感じで放置すらするくらい。

だから、まるで趣味のように捉えられる事もあるのだけれど、実のところ、決してそんな事は無い。
まず、資金が無い。
だったら、空室をさっさと埋めればイイのに。となる。
効率で考えれば当然であるものの、イメージに合わないことはやらない。

空室がいくつかあったとしても、利益は出ないかもしれないが、経営は回る環境に置くことが早々にできたからである。

ボクが必死になったのは、そこだけ。

そのラインさえ満たされれば、あとは早かれ遅かれ形になっていく。

ボクは愛和苑の家主であるだけで、あちこちの物件の家主をする気は、今のところ全く無い。
愛和苑だから家主をやっているだけだ。

満室は経営維持革新の条件であって、満足する部分ではない。
経営をする以上、当たり前の事なのだ。
満室になればなったで、気にかかる事も出てくる。
そういうものなのだ。

愛和苑は改修するにつれ、はじめは1階7軒が満室になり、順番待ちとなった。
とりあえず2階に入居して1階へ移動するのを待つ方もいる。
そうこうする内に、2階も満室となってしまい、融通の利かない物件となってしまった。

春になると、引っ越しで退去される人が居る。
これ幸いに、できた空室を利用して、テトリスのように苑内移動する変わった物件なのだ。
新たな募集は、満室に空室ができ、テトリスが済んでからという事になる。

愛和苑には、ゆる～い風が吹く。
それくらいで、ちょうどイイのだ。